高麗人参の主な有効成分は、ジンセノサイド(ginsenoside)と呼ばれる人参サポニンです。(サポニンは、水溶液が石けんのように泡立つ特性を持っていて、大豆、小豆などにも含まれています。)
苦みやえぐみの正体はこのサポニンにあたります。他の植物から発見されたサポニンとは違った特異な化学構造であるだけでなく、その効能も非常に異なっています。
最近の分離分析技術の発達によって、高麗人参のサポニンは30種の化学構造が明らかにされています。
高麗人参と同じウコギ科のアメリカ産西洋人参で14種、中国雲南省などで採れる田七人参で15種に比べ、桁外れに多種のサポニンが含まれています。
種別/成分 | 高麗人参 | 花旗参 (米国参) |
田七参 (中国参) |
竹節人参 (日本参) |
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紅参 | 白参 | ||||
総サポニン数 | 30 | 23 | 14 | 15 | 8 |
パナクサジオール系 | 18 | 15 | 9 | 6 | 3 |
パナクサトリオール系 | 11 | 7 | 4 | 9 | 4 |
オレアン系 | 1 | 1 | 1 | - | 1 |
ジンセノサイドには、疲労回復作用、精神安定作用、血行促進作用、抗炎症作用などがあることは知られています。また、抗糖尿作用、癌細胞増殖抑制作用、記憶学習機能改善作用も確認されて注目されています。
高齢者にとっては、動脈硬化による血流悪化が改善され、心臓の負担を下げながら心筋梗塞や脳梗塞などの血栓症予防に効果があると言われます。
また、中性脂肪やコレステロールの値を下げ、血糖値や血圧を下げることも確認され、生活習慣病の予防への効果も期待されています。
さらに、鎮痛や精神安定等の作用もあり、更年期を迎える女性が抱える冷え性、頭痛、肩こり、イライラ、不眠などの複雑な症状の緩和にも役立ちます。